私は二人目の子どもを妊娠中に「妊娠糖尿病」と診断されました。
「妊娠糖尿病とは?」「赤ちゃんに影響は?」「私は何をすればいい?」と不安でいっぱいだった私が、診断〜出産までどんな生活を送り、どう乗り越えたかをまとめました。
妊娠糖尿病と診断され、不安を抱えている方にとって少しでも参考になれば幸いです。
初期に妊娠糖尿病と診断
私はもともとやせ型で、食生活等も一般的、糖尿病の家族歴もなく糖尿病とは無縁だと思っていました。
ところが二人目妊娠中の初期の血液検査で引っかかり、糖負荷試験で「妊娠糖尿病」と診断されました。
一般的に妊娠糖尿病は肥満の方や糖尿病の家族歴がある方がなりやすいと言われていますが、私はそれに当てはまらず自分は妊娠糖尿病になる可能性は低いと考えていたので正直驚きと不安でいっぱいになりました。
妊娠糖尿病になった原因は?
ときどき「食生活がいけなかったんじゃないか」と周りから言われたこともありましたが(ひどい)、妊娠糖尿病は食生活ではなく胎盤からインスリンの効果を下げるホルモンが出ているせいで血糖値が下げられず妊娠糖尿病になってしまうそう。
なので基本的には出産をして治る方が多いそうです。
妊娠初期で赤ちゃんに影響は?
妊娠初期での診断だったので、赤ちゃんに悪い影響がないかもとても心配になりましたが、産院と連携している糖尿病専門の病院で検査したところ、食後の血糖値は高いけれども、過去1〜2ヶ月の血糖値平均を表すHbA1cが正常値だったため問題ないとのことでひと安心しました。
妊娠糖尿病と診断されてからの生活
基本は食事管理+血糖値測定
まずは栄養指導を受けました。食事管理で血糖値をコントロールして、それでもコントロールできなくなったらインスリン注射に切り替えるとのこと。
血糖値を上げないためには食事の量を控えるのもひとつの手段ですが、妊娠中は赤ちゃんに栄養を届けないといけないのでむしろしっかり食べるように指示されました。私の場合は成人女性の平均摂取カロリー+妊娠負荷量=2100kcal!成人男性並みの量だそうです。
「血糖値がコントロールできなくても落ち込まないように」「血糖値を下げることよりもまずは赤ちゃんのためにしっかり食べること」と何度も説明してくれました。食事量を制限されると思っていたので「食べていいんだ!」と安心したのを覚えています。
バランスよく、血糖値を上げにくい食事の摂り方にもとづいて食事をした後は、1日1回、食後1時間に血糖値を測ります。
貸出された機械に血液を染み込ませて血糖値を測り、もし2日連続で140以上の場合は病院に連絡をして食事の指導等を受けていました。
私の食事管理方法
食事管理のポイント
- 1日3食+間食(1〜2回)で血糖値を急上昇を防ぐ
- 野菜・たんぱく質をしっかり摂る
- 食べる順番も重要(野菜→たんぱく質→ごはん)
- お菓子は基本NG
私の場合、摂取カロリーが2100kcal/日と成人男性並みの量だったのでかなりお腹いっぱいになりました。
間食はごはんやパンなどのシンプルな炭水化物にして、お菓子類は基本食べないように指導されましたが、タンパク質をしっかり食べていればお菓子欲は意外と湧かなかったことに驚きました。
ある日の食事例
- 朝:全粒粉パン+カッテージチーズ・ゆで卵・サラダ・ヨーグルト・フルーツ
- 昼:野菜たっぷりパスタ・サラダ・チキンソテー
- 間食:全粒粉パンorもち麦ごはんおにぎり
- 夜:もち麦ごはん・肉or魚と野菜のせいろ蒸し・豆腐
血糖値を上げにくくするために、主食はもち麦ごはんや雑穀米・全粒粉パンに変えて、野菜・タンパク質もしっかり摂るようにしました。大好きなパスタはGI値がごはんよりも低いのでときどき食べていました。
宅トレYouTuberの竹脇まりなさんのメインチャンネルやサブチャンネルで、簡単にできる栄養バランスの良い料理をたくさん紹介しているので参考にしていました!

せいろがすっごく便利でした!油を使わないのでヘルシーだし、肉も野菜も一緒に入れて放っておくだけなので忙しいときの味方でした。
簡単つくりおきで時短
食事管理で大変だったのは、毎食きちんと野菜もタンパク質も摂らないといけないので「今日はパスタだけでいいや〜」みたいなことができず食事の支度に時間を取られることでした。妊娠中で体調も万全でない中、仕事も育児もしながら3食しっかり準備するのはとても大変。
そこで私がやったのはレンチンなどすぐ調理できるつくりおき。サラダも生野菜をすぐ食べられるようにカットして保存していました。

写真は左上からサラダチキン、レンチンなす、トマト、グリーンリーフ、レンチンきのこ、ブロッコリー、キャロットラペ。どれも茹でるだけ、レンチンするだけ、カットするだけの簡単調理です。
他にもゆで卵やゆで野菜などそのときスーパーで安かったものでつくりおきしていました。
iwakiの保存容器が大活躍!大中小のサイズもちょうどよく、スタッキングもできて冷蔵庫でもあまり場所を取りません。これを機に買い足しました!
宅配弁当で時短
私がキッチンに立っていると子どもが抱っこをせがむので、休日はほとんど料理ができません。妊娠中は体調がすぐれない日もあるので、もしものときのために冷凍宅配弁当もストックしていました。
私が利用していたのはnosh(ナッシュ)。おすすめのポイントは
- おかずのみのお弁当が多いのでもち麦ごはんが続けられる
- 美味しい
- 配送スキップが制約なしで気軽にできる(スキップの回数制限があるサービスもある)
私がやっていた血糖値を上げにくくする工夫
私は自己測定キットを使って、1日1回、指先から血を取って血糖値をチェックしていました。
計測するのは
- 週に1度、朝食前の空腹時血糖
- 1日1回食後1時間の血糖値
血糖値を上げにくくするためにやっていたことで、私なりに効果があったと感じたことは以下です。
ゆっくり食べる
栄養指導では先に野菜(食物繊維)を5〜10分かけて食べ、その後タンパク質→炭水化物の順で食事全体では20〜30分かけて食べるように言われていました。
実際そのようにして食べると血糖値上昇が抑えられ、逆に急いで食べてしまったときや野菜の量が少なかったときは血糖値が上がりやすかったです。
白米はもち麦や雑穀米、パンは全粒粉やライ麦にする
白米や白いパンは血糖値を上昇させやすいので、米の場合は雑穀米やもち麦を混ぜて、パンの場合は全粒粉やライ麦パンを選んで食べるようにしたところ、血糖値の上昇が穏やかになりました。
近頃はお米が高騰しているので、雑穀米やもち麦でかさ増ししている人も増えているようですね。健康的で節約にもなる!
朝は食物繊維とタンパク質をしっかり摂る(セカンドミール効果)
セカンドミール効果とは、最初に食べた食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)の血糖値に影響を与える現象のこと。
朝食で食物繊維やタンパク質を多く含む食事を最初に摂ると、次の食事での血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。
忙しくて食物繊維が摂れない時は「サンファイバー」という水やスープに溶かして食物繊維が摂れるサプリ?を飲んだりもしていました。便秘にも効果あり!手軽で便利でした。
食後はなるべく立って家事をする
食後に運動すると血糖値の上昇が緩やかになりました。
ただ、小さい子どものお世話などもあり毎食後に運動することは難しく、そんな時は立っているだけでも効果があるそう。
食後〜血糖値を測るまでの30分くらいはなるべく立って家事をするようにしていました。
妊娠後期にインスリン投与に
妊娠後期になるとさらに血糖値が上がりやすくなるそう。私も34週頃から、食事を工夫しても血糖値が140以上になってしまうことが増えました。
出産時に血糖値が高いと、赤ちゃんが低血糖になってしまうリスクがあるので念のためインスリン注射を始めることになりました。
食事の直前に、お腹の辺りに注射します。不妊治療でも自己注射をしていたので、そのときのように痛い思いをするのかと憂鬱でしたが、インスリン注射は針が短くて細いので、痛くない場所を探せば意外と辛い思いをせずにすみました。
はじめはインスリン注射はしたくないと思っていましたが、いざはじめてみると毎回注射をする手間はありますが血糖値上昇の心配が少なく安心して食事ができるのでよかったです。
妊娠糖尿病になって感じたこと
好きなものが食べられないのがつらい
妊娠糖尿病になってから、血糖値の上昇を避けるためにお菓子や甘いパン・ドライフルーツ類はNG、妊娠高血圧症候群の予防のため塩分や脂質の高い食べ物(漬物や脂身の多いお肉など)もNGなど、食べられないものがありました。
決められた範囲でならなんでも食べられるのですが、やはり疲れた時は甘いお菓子が食べたくなったり、美味しそうなラーメンを見かけると食べたいなと思ったり...「好きなものが食べられない」というのがとってもつらかったです。
食事管理で体調が良くなった
指導に基づいて栄養バランスのとれた食事をしているので、それまでひどい便秘だったのも改善され、体が軽くなっているのを感じました。
健康にいい食事を摂ると体調にもあらわれるんだと実感しました。
栄養バランスの良い食事を自分で考えられるように
管理栄養士さんから、「食事管理は大変だと思うけど、バランスの良い食事を学べてお子さんの食育にもなるよ」とアドバイスをもらいました。
たしかに、食材を見て「これは炭水化物だ。こっちはタンパク質。」などすぐわかるようになりましたし、どの栄養素をどのくらいの量摂ればバランスが取れるのかもわかるようになりました。
それまでも健康的な食生活をしていたつもりでしたが、さらに理解が深まった感じです。
間食欲がなくなった
以前は食後すぐにお腹が空いて間食してしまうこともありましたが、しっかり食事をとることで間食欲(甘いものやジャンクなものが食べたくなる)がなくなりました。
今まではタンパク質が足りていなかったり、血糖値が上がりやすい食べ方をしていたせいで間食したくなっていたんだと気づきました。
最後に
妊娠糖尿病にかかったときのことについてまとめました。
もし同じ状況の方がいたら、本当につらいし赤ちゃんのことが心配だと思います。少しでも参考になれば嬉しいです。